歴代船(海洋科学部)

快鷹丸・北水丸・隼丸・雲鷹丸・天鴎丸・青鵰丸・蒼鷹丸・白鷹丸・神鷹丸・俊鶻丸

海鷹丸・海鷹丸Ⅱ・はやぶさ丸・神鷹丸Ⅱ・青鷹丸・海鷹丸Ⅲ・神鷹丸Ⅲ・青鷹丸Ⅱ・海鷹丸Ⅳ・その他小型船舶

快(かい)鷹(よう)丸　1901～1907(遭難)　137.66t‍　スクーナー型木製帆船

‍　水産講習所造船学講師横田成年氏の設計。実習中、台風により韓国迎日湾で遭難、4人死亡。遭難場所に立てられた殉難記念碑は敗戦後打ち倒されていたが、1971年、朴一天氏と韓永出氏によって再建された。

　快鷹丸の姿は「快鷹丸殉難歌」に歌われ、かつては「スタンバイ」と共に伝えられてきた。

北水丸　1905(移管)～?　‍137t　二本マストスクーナー型帆船

　海軍省より農商務省に移管され水産講習所所属となる。1923の関東大震災に関わる記録があるため、1929の海洋調査部移管によって本学を離れた可能性が高いが、詳細不明である。

隼(はやぶさ)丸　1907～1925‍　28.67t　ケッチ型木製帆船

　本国初、補助機関にユニオン型石油発動機を装備した船。青鵰丸‍の移管を受け廃船。

‍雲鷹(うんよう)丸‍　1909～1929　444.25t　バーク型鋼製帆船　※品川キャンパスにて陸上保存

　快鷹丸の代船として造られ、カニ工船事業の開拓をはじめ様々な功績を遺す。1912年に死亡事故が起きるまでは捕鯨実習も行っていた。引退の際、北原白秋が「雲鷹丸記念歌」を作詞した。

　1929に練習航海を止めてからも操帆訓練に使われたが、終戦後進駐軍に越中島校舎を接収されてからは放置されていた。

　その後1962年に七十周年事業の一環として移設・永久保存が計画され、1970年に完全復元を遂げた。1998年登録有形文化財に登録。

天?(てんおう丸　1918～1924　161.0t　木製汽船　※「おう」は鴎の旧字体

　水産講習所海洋調査部所属の調査船。1923の関東大震災では雲鷹丸・北水丸・隼丸と共に活躍した。

‍青鵰(せいちょう)丸　1925(移管)～1956‍　62.18t　ケッチ型木製帆船

　1921年に軍によって金鵄丸・銀鳳丸ほか2隻と共に製造されロシア樺太沖で使用後、移管された。移管当初は32tであったが、55t(1932)、62t(1950)と改装された。なお、鵰はワシの意。

‍蒼(そう)鷹(よう)丸‍　1925～1929(移管)　202.35t　鋼製汽船

　水産講習所海洋調査部所属の調査船。1929年に海洋調査部と共に農林省水産試験場へ移管。2代目(1955~)、3代目(1970~)を経て現在4代目(892t,1995~)が水産総合研究センター中央水産研究所に所属。

白鷹(はくよう)丸　1929～1944(撃沈)‍　1327.78t　鋼製汽船

‍　本学で初めて北洋に寄港した練習船で、インド洋のマグロ漁場調査を行った。また缶詰製造も行えた。1942年から軍に徴用され、第2次出動では実習も行った。

　第3次出動で小笠原諸島に物資搬送後、鳥島沖で米軍潜水艦の魚雷を受け轟沈。本学関係者31名を含む82名が殉職した。

神(しん)鷹(よう)丸‍　1937～1963　235.97t　鋼製トロール船

　トロール網などの実習を行った。1943年から軍に徴用されたが、敗戦後1946年には実習を再開した。

俊鶻(しゅんこつ)丸‍　1944(移管)～1951(移管)　531.71t　鋼製汽船

　1928年に農林省が建造し漁業取締船として使用後、白鷹丸遭難と神鷹丸徴用の船不足解消のため移管された。1951年に第二水産講習所（現・水産大学校）に移管、588.07tに改装され1958年まで使われた。

1954年には第五福竜丸が被曝したビキニ海域放射能測定に赴いている。なお、鶻はハヤブサの意。

海(うみ)鷹(たか)丸　1949(移管)～1955　754.81t　鋼製汽船

　海軍特務艦・荒崎(1942建造)を改造した船。船名は公募の結果、学生の応募したものが選ばれた。

海鷹丸Ⅱ世‍　1955～1973　1452.91t　鋼製スタントロール船

　本国初のスタントロール船。4度の南極洋観測航海を行い第1次調査（日本初の南極調査）では宗谷（現在は船の科学館に展示）の随伴船として活躍したほか、ガラパゴス島調査などの国際的調査を行った。

はやぶさ丸‍　1956(購入)～1967　140.86t　木製汽船　※都立夢の島公園にて保存

　1947年にカツオ船・第七事代(ことしろ)丸(99t)として建造、51年マグロ船に改造、53年に第五福竜丸に改名。54年に米国の水爆実験に巻き込まれ被曝し、調査後改装した船。

‍神鷹丸Ⅱ世‍　1973～1984　382.07t　鋼製サイドトロール船

　トロール漁業実習・延縄漁業実習のほか、5度の三重大学学生委託実習航海などを行った。

‍青鷹(せいよう)丸‍　1966～1987　216.78t　鋼製汽船

　はやぶさ丸の代船として建造され、乗船漁業実習・海洋観測実習や近海での調査研究に従事した。

海鷹丸Ⅲ世‍　1973～2000　1828.66t　鋼製汽船

　南極洋をはじめ様々な外洋航海を行った。1977には釜山に寄港し、快鷹丸殉難記念碑に慰霊した。

‍神鷹丸Ⅲ世‍　1984～現在　649t(国際936t)　鋼製汽船

　航海・運用学・海技教科等の実習のほか、トロール・イカ釣・マグロ延縄漁業等の実習を行う。

‍青鷹丸Ⅱ世‍　1987～現在　264t(国際167t)　鋼製汽船

東京湾、相模灘、黒潮流域等日本近海を行動海域とし、乗船漁業実習・海洋観測実習を行う。

海鷹丸Ⅳ世‍　2000～現在　1886t　鋼製汽船

　外洋での乗船実習教育及び調査研究を実施するほか、水産専攻科学生の海技教育を行う。

その他小型船舶

七号艇

いくつか代替わりしているが記録が定かでない。昭和初期には白鷹丸の連絡船にも使われた。

変遷：?～1917(台風で破壊) ― この間何代か変遷 ― ?～1949(台風で破損) ― 1949～1968(16t)

ひよどり　1968～1991　17.85t　　

ひよどりⅡ世　1991～現在　19t